思い込みに注意

こんにちは。茂原産業 代表の雪田です。

茂原産業は毎週火曜に全体での朝礼と、私たちがいつも使っている環境や設備を維持する『整理・整頓・清掃』の3S活動をしています。

朝礼は全員参加です。週に1度、全員が集まる貴重な機会です。

朝礼では、代表である私がその時に感じていることを、心に残りやすい一言にして社員に話しています。

今日は、「思い込みに注意」という話をしたいと思います。

1カ月ほど前、幼稚園の送迎バスの中で、園児が死亡する事故を覚えてますか?
この事故は、3点の重大なミスが重なり起きた悲しい事故です。

送迎バスの運行手順などを定めたマニュアルが安全対策の為に定められていたそうです。
その中には、
1.送迎はスタッフ2人で行う
2.乗車時に園児からカードを受取り、乗車人数を確認する
3.欠席連絡を受けたら送迎バス職員に連絡する
というように、決められたものもあるそうです。
マニュアルは作成されてもほぼ活用されていなかったことや、2人で送迎を行うことを想定したもので、今回の事故が起きた1人で送迎をすることを想定していない内容でした。

日頃から、マニュアル通りにしなくても事故が起きなかったから、
「やらなくても大丈夫」という思い込みが出来上がっていたのだと思います。
「送迎バスから降りていない子供はいない」
「子供がいない事には気づいたが、休みだと思った。」
これこそ正に「思い込み」からくる怠慢といえるでしょう。

ほんの少しの異変に気が付いたときに、確認する手間を惜しまなければ回避できました。

異常を感じたのに、複数のスタッフが結果として見て見ぬふりをしてしまったことにもなります。
いざという時のための防御策として決めたはずの事柄が、「行われていない」という異常に気付かず、いざという時にそのまま重大な事故を引き起こしてしまいました。
この事故はいざというときはいつも身近にあることを、痛感しました。

先週お話しした「夏の体験教室」の後日譚で、私自身にも「思い込み」から反省することが起き、思い出しました。

先週の話の通り、せっかく作成したラジオから音が聞こえなかった子供たちの、何ともいえない反応が心残りで、社内にアンテナを設置しラジオが聴ける環境を作りました。

参加した子供たちに案内のメールを送ったところ、あるお母様から
「作り終わって自己紹介をしている時に、実はすでに聞こえていました。○○は恥ずかしがってあの場で伝えられず、すみませんでした。家だと聞こえたり聞こえなくなったり、安定はしませんが、自分で作ったラジオが聞こえてきて感動です。」
という返信を頂きました。

聞こえていた子がいて嬉しかった半面、気づいたのです。

実際に事前に社内でテストした際に、アンテナを高く張らないと聞こえなかったので、作っても聞こえないものだと先入観ができ(=思い込み)、教室開催中に「聞こえない」を何度も言ってしまっていたのです。
先生である私が何度も「聞こえない」と言っていたので、「聞こえる」とは言えなくなってしまったのだと、反省しました。

今回も大切なことを子供から教えてもらえた貴重な体験でした。
経験も大切ですが、思い込みのない素直な気持ちで物事をとらえるようにしたいと思いました。

複数の人がいる中でも、異常を感じた時に見て見ぬふりをしないで声を上げること、
いつも大丈夫だからと思いこまずに、決められたルールの意味を理解して守ること、
大きな事故を未然に阻止できるのだと思います。


ハインリッヒの法則では表に出る不具合は2割といわれています。残りの8割は気づかなかったり、見過ごされています。
ほんの少しの違和感を見逃さないでほしいと思います。
今回の事故や、体験教室を通じて皆さんも感じることがあったと思います。
それらを忘れないで、毎日の仕事をしてほしいと感じる出来事でした。